【開催報告】サーチファンドサミット2026初開催 ― “サーチャーが継ぐ”新たな事業承継モデルに注目集まる ―
お知らせ
公開日:2026/06/19
更新日:2026/06/19
後継者不在が深刻化する中、事業承継の新たな選択肢として注目される「サーチファンド」。その可能性を多角的に議論する「サーチファンドサミット2026」が初開催され、100名超、全国約50行の地域金融機関を含む幅広い参加者が集いました。
政策・金融・M&Aのプロフェッショナルが一堂に会し、日本が直面する事業承継と経営人材不足という構造課題に対し、議論が展開されました。
「新たな起業の形」──“人”から始まる事業承継
日本サーチファンド(J-Search)からは、企業ではなく経営者候補という“人材”を起点にする新しい承継モデルであるというサーチファンドの仕組や特徴を改めて紹介。
従来の起業やM&Aとは異なり、サーチャーが自ら企業を引き継ぎ、そのまま経営を担うこの仕組みは、単なる事業承継ではなく「新たな起業の形」として位置づけられます。理念の承継や経営の一貫性が保たれやすいことも大きな特徴です。
「1→10の起業」──既存企業を成長させる挑戦
「起業の形」と言っても、サーチファンドは、ゼロから立ち上げる「0→1」の起業と異なり、既存企業を引き継ぎ成長させる“1→10の起業”と表現されます。
また、全国の後継者不在問題への打ち手としても、注目されています。日本では黒字でありながら後継者不在により廃業の危機にある企業が多数存在する中、サーチファンドは経営人材不足の解消と企業成長を同時に実現する手法になりえます。また、Uターン・Iターンによる人材流入を促すなど、地域経済への波及効果も期待されています。
政策・金融の視点が示す「構造課題」
金融庁による基調講演では、中小企業の後継者不在が依然として高水準にある現状が共有され、地域によっては6割を超えるケースも指摘されました。
こうした状況を踏まえ、金融機関には資金供給にとどまらず、事業承継や経営改善に踏み込む「伴走型支援」への役割拡張が求められています。サーチファンドについては、「経営人材と企業を一体として捉え、企業の存続と成長を実現しようとする枠組み」として言及いただきました。
「経営人材不足」をどう乗り越えるか
パネルディスカッションでは、地域金融機関トップが登壇し、地方における最大の課題として経営人材不足を挙げました。
新たな産業集積地を創り出すことができるかが今後の地域経済において重要なポイントとなる中、サーチャーのような外部人材の経営参画は、新たな発想やビジネスモデルを生み出し、企業変革のみならず地域産業への波及にもつながります。
また、サーチファンドが「やる気のある経営人材に来てもらい承継していく」新たな選択肢として普及し、人材の流れを生み出すことで、地域における“人材インフラ”として機能していくことへの期待も示されました。
満足度98%が示す地域金融機関からの高い関心
参加者アンケートでは、「満足」「やや満足」を合わせて98%と非常に高い評価を獲得。
また、約7割が「サーチファンドは事業承継課題の解決策となり得る」、約3分の1が「自社でも取り組みたい・詳しく知りたい」と回答するなど、認知から実行検討へと関心が移行しつつあることも伺えます。
サーチファンドは、単なるM&A手法ではなく、人材・企業・地域をつなぐ新たな“成長の仕組み”へ。
事業承継の次のスタンダードとなり得るこのモデルの広がりに、今後ますます注目が集まりそうです。